転職を決意したら避けて通れないのが退職届、退職願といった書類の提出です。次の転職に悪影響が出ないように穏便に円満退社を目指したいですよね?
しかし退職願や退職届の書き方ってマナーやルールがややこしくて難しい印象があると思います。
マナー違反を犯したために転職を邪魔される・・・、なんてことにならないようにすんなり退職したいのは当然です。
でも大丈夫です。本当は簡単でシンプルに書くことができます。基本的な書き方をマスターして穏便に退職できるように準備しましょう。
退職願と退職届の簡単な違い
退職願と退職届、言葉は似ていますが、実はこの2つはまったく意味合いが違います。
間違って提出しては事を荒立てる元になります。まずはこの2つの違いを理解してください。
退職願とは
その名の通り、退職をお願いするための書類です。穏便に退職の流れに持っていくにはこちらを使います。
自分は退職したいんです、という柔らかい意思表示です。基本的に退職願は提出後に受理されるまでは撤回することができます。とは言うものの、一度退職の意思表示をしたならば撤回するのは難しいかもしれませんね。
退職届とは
こちらは、退職を宣言するための書類です。自分は絶対退職します!という強い意思表示です。提出後に撤回することができません。
なんの前触れ無く、いきなり退職届を提出するのはマナー違反だと考える会社もあります。
基本的には退職願を使い、どうしても辞めれそうにない、辞めたいと強く思うときは退職届を使いましょう。
転職後に以前の職場と取引などで関わる機会があるかもしれません。なるべく穏便に退職できるようにしたいですね。
退職願・退職届の簡単でシンプルな書き方
実は退職願や退職届は形式のようなもので、書き方や書く内容はとっても簡単でシンプルです。
文面も決まっているので悩むことなく、サラサラっと書いてしまいましょう。
書き方のマナーとルール
まずは書き方の簡単なマナーやルールを抑えておいてください。
基本的に手書きが好ましいです。パソコンで作っても良い会社もありますが、事務的な感じを受けるので手書きが無難です。
横書きよりは縦書きが一般的なので、特にこだわりがないのならこの条件で書きましょう。
用紙の大きさと種類
用紙は特に決まりはありませんが、A4かB5サイズの白で無地の便箋が無難です。
もちろん罫線があるものでも良いですが、縦書きが一般的なので、縦線のものが良いですね。
ペンの種類
ペンは黒の万年筆かボールペンで油性と水性どちらでも可です。
鉛筆やシャープペンシル、青のインクは使わないように注意してください。
退職届の書き方・縦書きの場合
こちらが退職届の例文です。
これ以上でもこれ以下でもありません。誤字脱字がないように慎重に書きましょう。以下ポイントです。
- 「退職届」は中央に書く
- 「私事、」は一番下に書く
- 「このたび〜」は一段下げない、日付は退職する日を書く、理由は「一身上の都合により」
- 一行開けて退職届を提出する日を書く
- 名前の下に印鑑を押す、シャチハタはダメ
- (株)などと略さず正式に「株式会社」と書く、代表者の名前は⑤の自分の名前より上になるように書く
退職願の書き方・縦書きの場合
続いて退職願です。
ほとんど退職届と同じです。以下ポイントです。
- 「退職願」は中央に書く
- 「私事、」は一番下に書く
- 「このたび〜」は一段下げない、日付は退職を希望する日を書く、理由は「一身上の都合により」
- 一行開けて退職届を提出する日を書く
- 名前の下に印鑑を押す、シャチハタはダメ
- (株)などと略さず正式に「株式会社」と書く、代表者の名前は⑤の自分の名前より上になるように書く
退職届との違いは④の本文です。退職届は「退職致します。」一方、退職願は「退職致したくここにお願い申し上げます。」です。うっかり間違えたり逆にしないように気をつけてください。
また退職願、退職届に限らず、退職理由は「一身上の都合により」と書きます。例え体調不良でも、上司が嫌になっても、これは形式上の決まりです。
退職届と退職願の書き方・横書きの場合
会社から特に指定がない場合、縦書きで十分なのですが、横書きバージョンも載せておきます。
まずは退職願です。
続いて退職届です。
縦書きの場合と比べて、日付や名前を書く段落と順番が変わるだけで内容は変わりません。
最後に「以上」が入るのでここだけ注意が必要です。
封筒の書き方
さて、退職願が書き上がっても裸で提出するのはちょっとマナー違反です。ちゃんと封筒に入れて渡しましょう。
封筒の書き方はとてもシンプルです。こちらも黒のボールペンか万年筆で書きます。
表の真ん中に「退職願」または「退職届」と書き、裏の左下に所属と名前を書くだけです。
書けたら退職願または退職届を三つ折にして封筒に入れます。
最後に退職届・退職願と封筒に間違いがないかを確認し、封筒を閉じます。封をしたあとに〆を書いて完了です。
退職願・退職届を提出する時期やタイミング
円満に転職したいならば、退職願や退職届を提出する時期やタイミングも大事です。
なんの前触れも無く、いきなり上司に退職願や退職届を突きつけるのはマナー違反なので要注意。
民法上は退職の意志を伝えて2週間で辞められる
これは知ってる人も多いかもしれません。民法上では会社に辞めると伝えて2週間たてば退職することができます。労働者の権利として守られているんですね。
しかしこれはよほどの時の最終的な手段だと思います。円満に退社したいのであれば順序良く退職の手続きをとりましょう。
会社の就業規則を知ろう
会社では通常、就業規則が定められていると思います。これに「退職する場合は1ヶ月前に申し出ること」などと定められています。基本的にはこれを守るのが円満退社への第一歩です。
民法では退職の2週間前に届ければOKとされてますが、退職願いを出したから2週間後から出勤しませんでは最悪なパターンです。
印象悪く退職してしまうと次の転職の邪魔をされたり、転職先が元の職場と取引関係にあった場合にややこしくなることが予想されます。なるべくこのパターンに陥らないようにしてください。
退職の意志を伝える時期
では退職しようと決めたなら、いつ退職の意志を伝えれば良いのでしょうか?
おおよそ退職希望日から逆算して「就業規則で定められた期間+2週間から1ヶ月」前くらいの余裕は欲しいです。
例えば就業規則が「退職する場合は1ヶ月前に申し出ること」だった場合、退職希望日から1ヶ月半前から2ヶ月前には退職の意志を伝えます。
この時はまだ退職願は提出しません。まずは退職したいという意志を上司や人事へ伝えることです。
退職願・退職届を提出するタイミング
あなたが会社から必要とされていれば高い確率で引き止めに合うはずです。話し合いの結果、退職することになればここで初めて退職願、退職届を提出します。
話し合いの結果、退職する日が決まっていても退職届ではなく退職願を出すのが無難です。
あとがき
なるべく転職に影響が出ないように穏便に円満退社を目指したいですよね。
そのためにはいきなり退職届を突きつけるのではなく、じっくり話し合いの結果、退職願を提出する流れになるのが好ましいと思います。
退職にも結構なエネルギーを使います。すんなり退職できるように準備してください。
おしまい。