僕は20代後半のころ、公務員を目指していました。当時どうしても公務員になりたくて、でもなれなかった人間です。公務員になるしか未来はない、なれなかったら人生終わりだ、とまで思っていたほどです。
しかし結果的には公務員にはなれず、今は民間企業で働いています。こんな僕の体験談や考え方の変化が、当時の僕と同じように公務員になりたい、でもなれないと、苦しんでる人に少しでもお役に立てればと思い書いています。
この記事は、どうしても公務員になりたいけどなれない人へ贈る、僕なりのメッセージです。こういう考え方、生き方もあるんだなって参考までに読んでもらえれば幸いです。
僕がなりたかった公務員とは
僕が目指した公務員と言うのはどういうモノだったのか。公務員と言っても、地方公務員、国家公務員、さらには行政職、警察官、消防士、教員、医師、看護師、様々な職種にわかれています。その中でも僕が目指したのは地方公務員の行政職。県庁、市役所、町役場、と呼ばれる場所でした。
僕は高卒で、公務員を目指し始めたのは29歳ころ。目指すにはちょっと遅かったかもしれませんね。僕が受けた自治体は学歴不問ですが、大卒程度の学力が必要な試験があるところでした。
それまでは民間の企業で働いていましたが一念発起、公務員を目指すことになります。
公務員になりたかった理由
そんな僕が公務員になりたかった理由ですが、それは安定と収入です。僕がその頃勤めていた民間の企業はサービス残業当たり前の安月給でした。
その時は独身で、このままでは結婚も難しいと感じていました。地方の中小企業からすれば、公務員は好条件でした。そして29歳の時、高卒でも受けられる自治体があると知り、ダメ元で受験することにしました。
公務員になるために僕がとった行動
公務員になるにはまず公務員のことを知るべきだと考えました。『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』です。そこで今までの仕事を退職して臨時職員として市役所で働くことにしました。
臨時職員は正規の公務員よりは簡単になることができます。
こうして僕は臨時職員をしながら正規の公務員(正職員)を目指すことにしました。
公務員になれなかった理由
正確には僕は一度、臨時職員として公務員にはなったんです。そして臨時職員として正職員の試験をたくさん受けました。
結果は惨敗。いくつかの自治体を4年ほど受験しましたが僕は正規の職員になることは出来ませんでした。基本的に行政職の試験は年に1回なのでひとつの自治体を4回ずつ受けたということです。
僕が公務員試験に受からなかった正確な理由はわかりません。それは落とした人事だけが知っているのでしょう。ですが4年間のうちに臨時職員の仲間や、他の受験仲間から合格者がいました。その人達の条件を見れば、僕が落ちた理由はなんとなく見えてきます。
その前に公務員試験について簡単に説明します。
自治体によりますが、まず筆記試験があります。これは選択式のマークシート方式。レベルは大卒程度の問題でした。そして筆記試験に受かったものが面接試験に望みます。集団面接や集団討論、個人面接があります。
まずは筆記試験に受かることが第一です。筆記試験は自分の勉強量が点数に直結するので、わかりやすいです。きちんと勉強すれば筆記試験は受かります。
筆記試験には受かるのですが、その後の面接試験がどうしてもダメでした。他の合格者とそんなに大差があるようには感じなかったのですが、僕が受かることはありませんでした。同じ臨時職員でも受かる人と落ちる人の基準がよくわらないのです。
そんな中でも僕が知る限りの合格者の条件です。
- 大学新卒者である
- 大卒者である
- 大手企業出身である
- 元・公務員(警察・消防)である
僕が知る限り高卒で合格した人はいませんでした。
普通に考えればそうですよね。同じような面接の結果ならば、経歴の良いほうから合格していくでしょう。面接で飛び抜けたような成績を出せなかった僕は合格するわけないんです。
真実はわかりませんが、僕は公務員になることは出来なかったのです。
どうしても公務員になりたい人へ
僕は公務員になりたい一心で試験に取り組み、4年以上をかけて完全燃焼しました。臨時職員も経験し身分上公務員を経験しました。今は民間企業に勤めていて公務員に対して心残りはありません。
それでも、どうしても公務員になりたい人もいると思います。
僕の経験上、高卒での合格率は低いです。大卒の人の方が有利なのは間違いありません。
働きながら大学に行くのは現実的に難しいと思います。後悔のないようにするには試験対策を万全にすることです。
具体的には筆記試験と面接対策です。それには予備校に通うことをおすすめします。面接対策までしっかりしてくれるところを選んでください。
地方や田舎で予備校がない人はオンラインスクールを利用してください。
アガルートなら面接対策もついてます。
公務員を目指さなくなった理由
僕は臨時職員を2つの自治体で計4年、経験しました。つまり4年間は公務員という仕事をしたんです。
最初は公務員になりたくてなりたくてしょうがなかったです。公務員にならないと人生終わりだと本気で思ってました。でも実際、臨時職員ですが公務員を経験してみて、魅力的なことばかりではないと思うようになりました。
- 原則、副業の禁止
- 残業代が全部でるわけではない
- 時間の自由が思ったよりきかない
- 県民、市民からの目線がキツイ
- 公務員を辞めたい人が多い
- やりがいを感じなかった
副業の禁止
業務に支障が出るような副業は禁止されています。例えば仕事が終わったあとアルバイトするとか。給与面は優遇されていますから副業する必要はないんですけどね。
申請すればOKな副業もあります。例えば家賃収入や農家、今はどうかわかりませんが、お坊さんを兼任している人もいました。本業に支障がある気がしますけどね。
線引はあいまいで、申請してOKがでれば良いって風潮でした。
ブログ収入やアフィリエイトはどうなんでしょうね?たまに公務員ブロガーさんを見かけることがあります。ちゃっかりアドセンス広告が貼ってあって収入を得てそうなブログも見かけます。申請してるからOKということなんでしょか?あいまいです。
残業代は全部でない?
各部署で予算が決まっていてそれを超えた残業代は基本でません。
激務の部署なんかはほとんどサービス残業ではないでしょうか?
時間の自由がきかない?
公務員といえば土日祝休みで9時〜5時できっかり帰るというイメージかもしれません。これも部署によりますが、休日出勤当たり前、帰りは深夜なんてとこもあります。
そして地域のお付き合いで休みの日も借り出されるなんてことはしょっちゅうです。
逆に休みはきっかりとれて残業代は100%でて有給消化率100%なんて夢の様な部署もあります。どこに配属されるかは運です。
一部の街の人達からの目線がキツイ
もちろん、みんながみんなではありません。しかし公務員というだけで敵視してくる人たちは必ずいます。役所に来た時点ですでにケンカ腰な人もいます。日本語の通じない人たちも来ます。
窓口の女性職員が殴られて上司ともみ合いになり・・・なんてことも実際に目の前でありました。
公務員を辞めたい人が多い
人それぞれ理由があるんでしょうけど、僕が一緒に仕事をした公務員の人は仕事を辞めたいという人が多かったです。どこの職場でもあることですけどね。
イメージとは裏腹に心を病んでしまう人がいるみたいです。それだけ仕事がきつかったりシガラミがあったりするのでしょう。
でも公務員を辞めても行くところがないという人が大半です。我慢して仕事を続けている人が多いということです。僕のまわりの人も辞めたいと言いつつ辞めた人はいませんでした。
公務員に限りませんが、どの仕事・職場にも問題はあるということです。
仕事にやりがいを感じなかった
僕のいた市役所は2,3年で部署異動することが多かったです。臨時職員の異動はほとんどありませんけど。なので常に新しいことを覚えて、慣れた頃に移動というペースです。
役所の仕事は多岐にわたりますので、地元に貢献して盛り上げるという大きな括りでのやりがいはあるかもしれません。
でも個人の仕事内容で見た場合、一日中書類整理とか一日中同じ作業の繰り返しなど、何やってるんだろう?と思ってしまう仕事もあります。
こういう仕事がしたい!という理想を掲げて入職しても現実は違うということもあります。
せっかく正職員で入ってもすぐに辞めてしまう人もいるくらいです。
他にも色々ありますが・・・
どの仕事でもそうですが理想と現実のギャップはありますよね。公務員に関して言えば安定した仕事や収入がある代わりに、こういったことも起こりうるということです。
4年間臨時職員をしていく中で、だんだんと魅力を感じなくなっていったのです。なれなかったヤツの負け惜しみ?と言われればそれまでです。実際そうかもしれません。
なれないならどうするか?
嫁も子どももいる僕は、公務員になれなかったから何もしない、というわけにはいきません。公務員になるという人生プランは崩れ去ったのですから、新たなプランを立てなければなりません。僕は公務員を諦め、民間企業に再就職する時にひとつだけ優先する条件を付けました。
それは、出来るだけ時間が自由になる仕事を探す。ということでした。
自由な時間が多ければ、家族との時間もとれますし、副業したり勉強したりする時間も増えます。現在は8時30〜17時きっかりの仕事をしています。その代わり給与面は少し犠牲になってます。
あとがき
当時の僕にかける言葉があるとすれば、視野を広く持て、ということです。
公務員になることがあなたの全てではないはずです。なれなかったと言って悲観しないでください。他にも色んな道があって、色んな可能性があります。ただし立ち止まることだけは止めて、あがいてもがいて前に進んで下さい。
そうすれば、きっと新しい道が見えてきますし、新しい出会いがあります。今悩んでることなんて1年後には忘れてます。去年の悩み覚えてますか?ダメだったことをいつまでも引きずらないで新しい一歩を踏み出しましょう。
おしまい。